【どこを】実はみんな見ている他人のロードバイク【見られる?】

ロードバイクおぢ

コンビニや信号待ちで他人のロードバイクを見かけたとき、つい目が行ってしまいませんか?実はあなたが見ているように、あなたのロードバイクも誰かに見られています。フレーム、ホイール、コンポーネント、サドル周り、小物類まで。ローディー同士が無意識にチェックしているポイントを振り返ってみましょう。

① 最初に見られるのはフレーム

ロードバイク同士がすれ違ったとき、あるいはコンビニで休憩中のバイクを見かけたとき。ローディーが最初に見る場所はどこでしょうか。ホイールでしょうか。コンポーネントでしょうか。サドルでしょうか。いいえ、まず見られているのはフレームです。

これはもう反射みたいなものです。相手の顔を見るより先に「おっ、ピナレロだ」「あれはキャニオンか」「コルナゴじゃん」と脳が勝手に判別を始めます。ローディーにとってフレームは車でいう車種そのもの。どんな乗り方をしているのか、どんな価値観なのか、どれくらい機材が好きなのかまで何となく想像できてしまいます。

信号待ちで隣に停まったロードバイクを見ているようで実はフレームのロゴしか見ていない人も少なくありません。むしろ「乗っていた人の顔は覚えていないけれど、S-WORKSだったことは覚えている」という現象すら発生します。ロードバイク界隈では割と普通です。

また面白いことに、フレームを見た瞬間に頭の中で勝手なストーリーが始まります。「この人はレース好きそうだな」「ヒルクライム派かな」「かなり沼に浸かっているな」など、本人は何も語っていないのに勝手に人物像が構築されていきます。もちろん大抵は当たっていません。

さらに高級フレームになるほど視線を集める時間も長くなります。信号待ちの数十秒でロゴを確認し、カラーリングを確認し、モデル名まで確認する人もいます。もはやロードバイク鑑賞会です。

結局のところローディーは他人のロードバイクを見ているようで、まず最初にフレームを見ています。そして見ている側は「ちょっと見ただけです」という顔をしていますが、見られている側も同じことをしているのでだいたいバレています。

② 意外と目が行くホイール

フレームを確認したローディーの視線が次に向かう場所。それがホイールです。むしろ人によってはフレームより先に見ています。「あの人は何に乗っているんだろう」ではなく、「あの人は何を履いているんだろう」という発想です。完全に変態です。

ロードバイク界隈においてホイールは非常に不思議な存在です。一般の人から見れば全部ほぼ同じ円形なのですが、ローディーだけは違います。遠くからでもリムハイトを見分け、スポークの本数を数え、ロゴの形でメーカーを特定し始めます。もはや野鳥観察に近い能力です。

特に高級ホイールを履いているロードバイクは異様な速度で発見されます。本人が目立とうとしていなくても無駄です。ENVE、ZIPP、PCW、Lightweight、GOKISOあたりになるとローディーの視線は吸い寄せられます。コンビニ休憩中に「おおっ」と二度見されていることも珍しくありません。

逆にホイールだけ妙に豪華な場合も目立ちます。フレームよりホイールの方が高そうな組み合わせを見ると、周囲のローディーは心の中で勝手な推理を始めます。「この人は完全にホイール沼だな」「何本持っているんだろう」「たぶん次もホイールを買うな」と、探偵でもないのに分析を開始します。

さらに面白いのは、ホイールを見るとその人の性格まで想像されることです。軽量モデルなら登り好き、ディープリムなら平坦好き、アルミリムなら堅実派、超高級品なら重症患者。もちろん全部ただの想像です。

ロードバイク界隈では、ホイールは単なるパーツではありません。自己紹介カードのようなものです。そしてローディーは口では「脚が大事ですよね」と言いながら、他人のホイールを見るとつい値段を計算してしまいます。たぶんそれが一番ロードバイクらしい生き物なのだと思います。

③ クランクで分かるコンポのグレード

フレームとホイールを確認したローディーが次に何を見るのか。それはクランクです。なぜならクランクを見ると、そのロードバイクがどのグレードのコンポーネントを搭載しているのかだいたい分かってしまうからです。

一般の人からするとクランクなど「ペダルが付いている棒」くらいの認識でしょう。しかしロードバイク界隈では違います。ロゴの位置や形状を一瞬見ただけで「アルテグラだ」「105だな」「デュラエースじゃん」と判別が始まります。もはや特技です。

しかもローディーは不思議なことに、信号待ちの数秒でそこまで見ています。顔も名前も知らない相手なのに、なぜかコンポのグレードだけは把握しています。冷静に考えるとかなり怖い能力です。

特にデュラエースのクランクは独特の存在感があります。見つけた瞬間に「あっ」となります。そして本人が気づいていなくても周囲のローディーはしっかり見ています。高級腕時計を付けている人が見られるのと似ていますが、こちらは足元の金属パーツです。なかなか特殊な世界です。

一方で105を見つけたときには妙な親近感が生まれます。「うんうん、分かる」「一番ちょうどいいんですよね」と勝手に共感が始まります。相手は何も話していません。

またクランクだけ上位グレードに交換されている個体を見つけると、観察モードが発動します。「ここから沼に入ったのかな」「次はホイールかな」「いやもう入っているな」と余計なお世話な推理大会が始まります。

ロードバイク界隈においてクランクは単なる駆動部品ではありません。その人がどんな機材遍歴を歩んできたのかを想像させる重要なヒントです。そしてローディーは口では「脚力が全てですよ」と言いながら、しっかりクランクを見てコンポのグレードを確認しています。たぶん見ていない人の方が少ないでしょう。

④ サドル周りに出る性格

サドル周りは、ロードバイク本体の中でもかなり性格が出やすい場所です。フレームやホイールほど派手に主張してこないのに、よく見ると妙に情報量があります。ローディー同士の視線は怖いもので、サドルの高さ、角度、バッグの有無、シートポストの出方まで、本人が気づかないところでしっかり観察されています。

まずサドルがやたら高く、シートポストがにょきっと伸びているロードバイクを見ると、「おお、脚が長いのか、それとも攻めすぎなのか」と勝手に判定が始まります。乗っている本人は普通に調整しているだけなのに、周囲は勝手にポジション評論家になります。逆にサドルが低めだと、「まだ優しい世界で生きている人かもしれない」と謎の安心感が生まれます。

サドルバッグもなかなか見られます。小さくまとめている人はスマート派に見えますし、やたら大きいバッグを付けている人は「この人は何泊するつもりなんだろう」と思われがちです。チューブ、工具、補給食、輪行袋、予備の人生まで入っていそうなサイズだと、もはやロングライドの民です。

さらにサドルの角度にも個性が出ます。水平にきっちり合わせている人は几帳面そうですし、前下がり気味だと「かなり悩んできた人だな」と感じます。ロードバイクに乗っていると、お尻との戦いは避けて通れません。サドル周りが独特な人ほど、過去に何かしらの苦労をしてきた気配があります。

結局サドル周りは、速さよりも暮らしぶりが出る場所です。派手なパーツではないのに、持ち物、距離感、几帳面さ、快適性への執念までにじみ出ます。そしてローディーは「人のサドルなんて見ていませんよ」という顔をしながら、実はかなり見ています。見られて困る場所ではありませんが、思っている以上に語ってしまう場所なのです。

⑤ ボトルとアクセサリーが個性を語る

ロードバイクはフレームやホイールだけではありません。本当に個性が出るのは、むしろ細かいアクセサリー類かもしれません。ボトルやサイコン、ライト、ベル、マウント類を見ていると、その人がどんなローディーなのか何となく伝わってきます。

まず目に入るのがボトルです。レースチーム風のデザインで統一している人もいれば、イベント参加でもらったボトルを何年も使い続けている人もいます。中には色味をフレームと完璧に合わせている人もいて、「そこまでやるのか」と感心させられます。もはや自転車というよりインテリアです。

サイコン周りも見逃せません。必要最低限の表示だけで走るシンプル派もいれば、飛行機のコックピットのように画面を眺めながら走っている人もいます。速度、パワー、心拍、ケイデンス、勾配、気温。もはやライドなのか健康診断なのか分からなくなっているケースもあります。

ライト類にも性格が表れます。小さなライトをさりげなく付ける人もいれば、「夜の空港誘導路ですか?」と思うほど発光体を増設している人もいます。安全意識が高いのか、単純に光る物が好きなのかは本人のみぞ知るところです。

さらに面白いのが各種マウントです。スマホ、アクションカメラ、レーダー、補給食ケースなどが次々と装着され、気付けばハンドル周りが満員になります。最初は軽量化を語っていたはずなのに、なぜか装備だけで数キロ増えていることも珍しくありません。

そう考えるとボトルやアクセサリー類は、その人のロードバイク人生そのものです。速さや機材グレードとは別の価値観が詰まっています。そしてローディーは他人のロードバイクを見ると、「何に乗っているか」だけでなく「何を付けているか」までしっかり観察しています。小物ほど個性が出ることを、みんな経験的に知っているのです。

結局いちばん見られているのは乗り手

ここまでフレーム、ホイール、クランク、サドル、アクセサリーと見てきました。しかしロードバイク界隈で本当に注目されているのは何か。それは乗り手です。

どれだけ高級なフレームでも、どれだけ豪華なホイールでも、最終的には乗っている人が目に入ります。当たり前の話なのですが、ロードバイク界隈は遠回りしてそこにたどり着きます。

例えば信号待ちで停まっているローディー。脚が異様に細い人を見ると「速そう」となりますし、妙に余裕のある表情をしている人を見ると「これは強い人だな」と感じます。逆にヘルメットの下で必死の形相になっている人を見ると、「今日かなり追い込んでいるな」と親近感が湧きます。

ウェアの着こなしも見られています。チームジャージでビシッと決めている人、シンプルな無地でまとめている人、なぜか色が大渋滞している人。それぞれに味があります。ロードバイクは機材スポーツと思われがちですが、実際には人間味がかなり出る趣味です。

また走り方も意外と目立ちます。ペダリングが滑らかな人、下りで安定感のある人、向かい風でも淡々と進む人。そういう姿を見ると、機材より先に「かっこいいな」と思ってしまいます。高級ホイールのロゴは忘れても、颯爽と走り去った人の姿だけは記憶に残ることがあります。

面白いことに、ロードバイクを始めたばかりの頃は他人の機材ばかり見ています。しかし長く続けていると、だんだん乗り手の方に興味が移っていきます。どんな人が乗っているのか、どんな走り方をしているのか、その方が気になり始めるのです。

つまりロードバイク界隈は機材好きの集まりに見えて、最後は人を見る世界なのかもしれません。フレームもホイールも確かに見られています。ただ本当に印象に残るのは、楽しそうに走っている人だったり、黙々と坂を登る人だったりします。そんなわけで一番見られているのはロードバイクではなく、その上に乗っている本人なのです。

あなたも他の人のロードバイクを見ているハズ

この記事をここまで読んで、「ローディーって人のロードバイクを見すぎだろ」と思った方もいるかもしれません。しかし少しだけ思い出してみてください。コンビニの駐輪スペースで、信号待ちで、イベント会場で、あなたも他人のロードバイクを見ていませんでしたか。

「あっ、TREKだ」「珍しいカラーだな」「このホイール高そう」「サドル低くない?」など、一瞬でも考えたことがあるなら立派なローディーです。もうこちら側の人間です。

特に面白いのは、自分では見ているつもりがないことです。ところがロードバイクを始める前は絶対に気付かなかったメーカーのロゴが目に入り、ホイールの違いが分かり、なぜかコンポーネントのグレードまで判別できるようになります。冷静に考えるとかなり特殊な進化です。

さらに重症になると、遠くから見えるロードバイクのシルエットだけで「あれはエアロロードだな」と考え始めます。近づくと予想が外れていることもありますが、それはそれで楽しいのです。

サイクリストという生き物は、自転車が好きすぎて他人のロードバイクまで気になってしまいます。だから見られるのです。そして見てしまうのです。この関係はたぶん一生続きます。

要するにロードバイク界隈は、みんながお互いのロードバイクを眺め合っている平和な世界です。もし今度コンビニで他人のロードバイクに目が行ったら安心してください。向こうもたぶん同じことをしています。

まとめ|ロードバイクは想像以上に見られている

ロードバイクに乗っていると、「誰も自分のことなんて見ていないだろう」と思いがちです。しかし実際には、ローディー同士で驚くほど見ています。

フレームを見てメーカーを確認し、ホイールを見て予算を想像し、クランクを見てコンポのグレードを推測する。サドル周りからは性格を読み取り、小物類からはライドスタイルまで勝手に分析しています。冷静に考えるとかなり忙しい趣味です。

もちろん本人たちに悪気はありません。野鳥好きが珍しい鳥を見つけるように、鉄道好きが車両形式を見分けるように、ローディーもまたロードバイクを見ると自然に観察モードへ入ってしまうのです。もはや習性と呼んだ方が正しいかもしれません。

ただ面白いのは、見ている側も同じように見られていることです。自分は相手のロードバイクを眺めているつもりでも、向こうもこちらのフレームやホイールを確認しています。ロードバイク界隈は巨大な相互監視社会だったのです。

とはいえ必要以上に気にする必要はありません。なぜならローディーは他人の機材を見ていても、数分後には次のロードバイクを見ているからです。記憶力より観察力の方が発達している生き物なのです。

そんなわけで、あなたのロードバイクも今日どこかで誰かに見られています。そしてあなた自身も、きっと無意識のうちに誰かのロードバイクを見ています。ロードバイクは走る乗り物であると同時に、眺める乗り物でもあるのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました