【検証】ガチ勢とエンジョイ勢の決定的な4つの違い

ロードバイクおぢ

あなたはガチ勢でしょうか。それともエンジョイ勢でしょうか。ロードバイク界隈ではよく使われる言葉ですが、その違いを明確に説明できる人は意外と多くありません。サイクルコンピューターを見る回数、休憩時間の長さ、坂や向かい風への反応、ライド後に語る内容まで。今回はガチ勢とエンジョイ勢の違いを整理しながら、それぞれの楽しみ方について考えてみます。

違い① ガチ勢は数字で走り、エンジョイ勢は景色で走る

ガチ勢とエンジョイ勢の違いを一言で表すなら、走っている最中に何を見ているかです。

ガチ勢は数字で走ります。速度、平均速度、パワー、心拍数、ケイデンス、獲得標高などを常に意識しながらペダルを回しています。サイクルコンピューターの画面は単なる情報表示ではなく、その日の走りを判断するための重要な指標です。向かい風の中でも「今日はこの出力を維持しよう」と考え、登坂ではタイムやペースを意識します。ライド中の景色が目に入らないわけではありませんが、優先順位は数字の方が上です。

一方でエンジョイ勢は景色で走ります。川沿いの風景がきれいだった、季節の花が咲いていた、美味しそうな店を見つけた、そんな発見そのものがライドの楽しみになります。もちろん速度や距離も確認しますが、それはあくまで参考程度です。目的は数字を更新することではなく、走る時間そのものを楽しむことにあります。

例えば同じ河川敷を走っていても、ガチ勢は平均速度が前回より上がったことに満足し、エンジョイ勢は夕焼けがきれいだったことに満足します。どちらも同じ道を走っているのに、見ている世界は意外なほど違います。

ただし、どちらが正しいという話ではありません。ロードバイクは競技でもあり趣味でもあります。数字を追い求める楽しさもあれば、景色や空気を感じながら走る楽しさもあります。

ロードバイクの魅力は、自分なりの楽しみ方を見つけられることです。そしてガチ勢もエンジョイ勢も、それぞれ違うものを追いかけながら同じようにペダルを回しているのです。

違い② ガチ勢は休憩が短く、エンジョイ勢は長い

ガチ勢とエンジョイ勢は、休憩時間にもはっきりとした違いが表れます。

ガチ勢にとって休憩は目的ではなく手段です。補給を摂る、水分を補充する、トイレを済ませる。必要なことを終えたら再び走り始めます。コンビニへ立ち寄っても滞在時間は数分程度ということも珍しくありません。むしろ長く止まりすぎると身体が冷えたり、走るリズムが崩れたりするため、できるだけ短時間で済ませようと考えます。

対してエンジョイ勢は休憩そのものもライドの楽しみの一部です。景色の良い場所で写真を撮ったり、カフェでゆっくり過ごしたり、ご当地グルメを味わったりします。目的地へ到着した後に一時間以上のんびりすることも珍しくありません。

例えばサイクルカフェへ立ち寄った場合でも違いは明確です。ガチ勢はコーヒーを飲みながら次のルートや帰路のペースを考えています。一方でエンジョイ勢は会話を楽しみ、景色を眺め、店の雰囲気そのものを満喫しています。

またライド中の考え方も異なります。ガチ勢は「どこで休むか」を考え、エンジョイ勢は「どこで休もうか」を考えます。一文字しか違いませんが、その意味は大きく異なります。前者は効率を重視し、後者は体験を重視しています。

もちろんどちらが優れているわけではありません。ロードバイクは走ることを楽しむ趣味ですが、休憩を楽しむ趣味でもあります。短時間で補給を済ませて再出発するのも立派な楽しみ方ですし、美味しいコーヒーを飲みながら仲間と語り合うのもまたロードバイクの魅力です。

休憩時間の長さは、その人がライドに何を求めているのかを映し出しています。だからこそサイクルカフェやコンビニの駐輪場を見ると、その人がガチ勢なのかエンジョイ勢なのか何となく分かることがあるのです。

違い③ ガチ勢は坂や風を喜び、エンジョイ勢は坂や風を嫌う

ガチ勢とエンジョイ勢では、坂や風に対する感情も大きく異なります。

エンジョイ勢にとって坂はできれば避けたい存在です。登っている最中は苦しいですし、速度も落ちます。目的地まで楽しく走りたいのに、なぜわざわざ自分から苦しい場所へ向かわなければならないのかと思う人も少なくありません。向かい風も同じです。進まない、疲れる、楽しくない。歓迎する理由が見当たりません。

ところがガチ勢は少し違います。坂を見ると「練習になるな」と考えます。向かい風が吹いていると「今日は良い負荷が掛かりそうだ」と思います。一般的な感覚からすると理解しにくいのですが、ガチ勢にとって坂や風は敵ではなく成長の機会なのです。

例えば河川敷で強い向かい風が吹いていたとします。エンジョイ勢は「今日は風が強いから引き返そうかな」と考えます。一方でガチ勢は「帰りは追い風になるな」と前向きに解釈します。さらに重症になると、「これは良いトレーニング日和だ」と喜び始めます。

ヒルクライムでも同じです。エンジョイ勢は登り切った後の景色や達成感を楽しみますが、ガチ勢は登っている最中の出力やタイムを気にしています。苦しいこと自体を楽しんでいるわけではありませんが、その先にある成長や結果を求めているのです。

もちろんガチ勢だって坂が楽なわけではありませんし、向かい風が好きなわけでもありません。ただ苦しい状況を避けるのではなく、それを活用しようと考える傾向があります。

ロードバイクを始めたばかりの頃は、多くの人が坂や風を嫌います。しかし走り続けるうちに、少しずつ考え方が変わる人もいます。気付けば天気予報で風速を確認しながら「今日は良い練習になりそうだ」と思い始めたら、ガチ勢への入り口が見えているのかもしれません。

違い④ ガチ勢は速さを求め、エンジョイ勢は思い出を求める

ガチ勢とエンジョイ勢の違いは、ライドが終わった後に何を振り返るかにも表れます。

ガチ勢は速さを求めます。平均速度はどうだったか、前回より速く走れたか、登坂タイムは更新できたか。ライドが終わるとサイクルコンピューターのデータを確認し、その日の走りを分析します。努力の成果が数字として現れるため、成長を実感しやすいのです。

一方でエンジョイ勢は思い出を求めます。美味しい店を見つけたこと、初めて走った道が気持ちよかったこと、仲間と笑いながら過ごした時間などが記憶に残ります。平均速度を忘れても、ライド中の出来事はしっかり覚えています。

例えば100kmを走ったとしても、ガチ勢は「前回より巡航速度が上がった」と満足します。エンジョイ勢は「途中で食べたソフトクリームが美味しかった」と満足します。同じ100kmでも価値を感じるポイントが違うのです。

また写真の枚数にも傾向が出ます。ガチ勢のスマートフォンにはサイクルコンピューターの画面が保存されていることがあります。対してエンジョイ勢のスマートフォンには景色や食事、自転車を並べた記念写真が増えていきます。

ただ興味深いのは、どちらもライド後に満足そうな顔をしていることです。ガチ勢は目標に近づけた喜びを感じていますし、エンジョイ勢は楽しい一日を過ごせた充実感を得ています。求めるものは違っても、ロードバイクを楽しんでいることに変わりはありません。

ロードバイクは競技でもあり、趣味でもあり、旅でもあります。速さを追い求める人がいても良いですし、思い出作りを大切にする人がいても良いのです。それぞれが違う目的を持ちながら、同じ道を走っているところにロードバイクの面白さがあります。

まとめ|実はどちらもロードバイクを楽しんでいる

ガチ勢とエンジョイ勢は対極の存在として語られることがあります。数字を追いかける人と景色を楽しむ人。休憩を最小限にする人とカフェでのんびり過ごす人。坂や向かい風を歓迎する人と避けたがる人。確かに違いはあります。

しかし実際には、その境界線は思っているほど明確ではありません。ガチ勢だって絶景を見れば足を止めますし、美味しいグルメを楽しむこともあります。エンジョイ勢だって少し速く走れた日は嬉しくなりますし、以前より成長したことを実感すれば達成感を覚えます。

またロードバイクを続けていると立場が変わることもあります。最初は景色や観光を目的に始めた人がタイムを意識するようになることもありますし、逆に速さを追求していた人が途中からゆったりとしたライドを好むようになることもあります。

ロードバイクの魅力は、自分に合った楽しみ方を選べることです。競技として向き合うのも自由ですし、週末の気分転換として楽しむのも自由です。どちらが上でも下でもありません。

大切なのは、自転車に乗ることが好きだという気持ちです。ガチ勢もエンジョイ勢も、休日になれば早起きしてロードバイクにまたがり、走り終われば満足そうな顔をしています。その姿は驚くほどよく似ています。

結局のところ、ロードバイクを楽しんでいるという点ではみんな同じです。楽しみ方が違うだけで、ペダルを回している理由はそれほど変わらないのかもしれません。

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