ロードバイクで見かけるエモい瞬間 Vol.029~明日のライド準備~

雑記コラム

一か月近く自転車に乗れなかった日々も終わりを告げ、ようやくライドができるようになったときのワクワク感ったら!これは経験した人ほど解ってくれるだろうライドのエモい瞬間、というかライド前日の話だったりします。

まるで、遠足の、前日のように

雨続きだった数週間。休日のたびに空を見上げては諦め、汚れないままのロードバイクを横目に過ごしていた。だからこそ、久しぶりに現れた晴れマークは特別だった。

金曜の夜。仕事から帰宅して最初に開くのはSNSでも動画サイトでもない。天気予報だ。降水確率、風向き、気温、時間帯ごとの空模様。もう何回見たかわからないのに、また確認してしまう。

「これは走れる」

その確信だけで、一気に気持ちが軽くなる。

部屋の隅に置いてあったロードバイクをゆっくり持ち上げる。タイヤを指で押すと、少し柔らかい。フロアポンプを繋ぎ、空気を入れていく。シュー、カチッ。ただそれだけの作業なのに、なぜか妙に楽しい。チェーンを軽く拭き、変速を確認する。ホイールを回しながら「明日はどこまで行こうか」と考える時間がたまらない。

河川敷を流すか。山へ向かうか。久しぶりだから無理せず走るつもりなのに、気づけばルートはどんどん長くなっていく。

補給食を机に並べる時間も好きだ。ジェルを何本持つか。コンビニで何を買うか。別にガチのロングライドでもないのに、こういう準備だけは妙に本気になる。ウェア選びも終わらない。朝は少し寒そうだ。でも昼は暑いかもしれない。ジレを持つか悩みながら、結局また天気予報を見る。

そんなことを繰り返しているうちに、頭の中ではもう走り始めている。

朝の静かな道路。
少し冷えた空気。
信号の少ない道。
走り出した瞬間の軽さ。

ロードバイクの楽しい時間は、ペダルを回している最中だけではない。むしろ久しぶりのライド前夜こそ、一番わくわくしている瞬間なのかもしれない。眠らないと朝がつらいとわかっているのに、なかなか寝ようとしない。まるで遠足前日の子どもみたいだと、自分でも少し笑ってしまう。

それでも、その落ち着かない夜が嫌いになれない。
明日、やっと走れる。
その事実だけで、十分すぎるほど幸せだからだ。

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