ロードバイクで見かけるエモい瞬間 Vol.038 ~灼熱のライド~

雑記コラム

やはり7月も中旬を過ぎると本格的に暑さが厳しくなりますね。この三連休も日中は外気温で40度を超えるのが当たり前になっていたし、外にいるだけで体力が吸われてしまいますよね。今日のエモい瞬間は、夏を感じずにはいられない灼熱のライドの情景をお届けしたいな、と。

ただの水が、最高の、水に

35℃を超えた真夏の昼。テレビでは不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、街を歩く人の姿もまばらになる。それでも河川敷には、一人また一人とローディーが現れる。好きでこんな日に走っているのだから、きっと少しおかしい。でも、その”おかしさ”が妙に心地よい。

サイコンが示す気温は40℃近くまで上がり、アスファルトから立ち上る熱気で景色がゆらゆらと揺れる。信号待ちでは風が止まり、一瞬で汗が噴き出す。ヘルメットの隙間を流れ落ちた汗はサングラスのレンズを伝い、ジャージはスタートして間もないのにもう絞れそうなくらい濡れている。

向かい風ですら熱風だ。それなのにペダルを踏み続けていると、不思議と身体が暑さを受け入れ始める。暑いという感覚を通り越して、夏そのものの中を走っているような気分になる。

セミの鳴き声だけが途切れることなく響いている。青空には大きな入道雲が浮かび、遠くでは陽炎が揺れている。コンビニの日陰に自転車を立て掛け、キンキンに冷えたスポーツドリンクを一気に飲み干す。その冷たさが全身へ染み渡る数秒間は、冬の温泉にも負けない贅沢だ。

休憩を終えて再び走り出せば、ボトルの中身はすぐにぬるくなる。それでも構わない。暑さも、汗も、焼けるような日差しも、この季節にしか味わえない景色の一部だからだ。

夕方になり、西日が少しだけ柔らかくなる頃には、脚も腕も日焼けで赤くなり、身体中に疲労が残っている。それでもライドを終えてシャワーを浴びたあと、ふとスマホに残った走行ログを見ると、なぜか少し誇らしい気持ちになる。

「あの日は本当に暑かった。」

何年か経って思い出すのは、楽に走れた春や秋ではない。灼熱の太陽の下で汗だくになりながら、それでも笑って走り続けた夏の日だ。ロードバイクは速さや距離だけではなく、季節そのものを身体に刻み込む乗り物なのだと、あの猛烈な暑さが教えてくれる。

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