ロードバイクで見かけるエモい瞬間 Vol.027~ライド後の日焼け~

雑記コラム

サイコンのログを見ていると、最高気温が30度を超えていることに気づきました。五月も中旬、もう夏も近いですね。日焼け止めを塗らないと顔や手足が黒々と日焼けしてしまう季節になりました。今日のエモい瞬間は、夏のシーズンを気づかされる日焼け跡について書いてみました。

日焼けの、跡が、走った証

五月の中旬。
朝は少し涼しかったはずなのに、昼前には空気が一気に変わっていた。信号待ちで止まるたびに陽射しの強さを感じる。まだ“真夏”ではない。けれど、確実に季節はそちらへ向かい始めている。

河川敷の草は濃くなり始め、遠くの景色もどこか白く霞んで見える。冬用ウェアを着ていた数ヶ月前が嘘みたいだった。

こんな日は、なぜか脚がよく回る。重かった冬の感覚が抜け、ペダルに体重を乗せるたびにスッと前へ進む。向かい風すら少し気持ちいい。気づけば予定していた折り返し地点を通り過ぎていた。

「もう少しだけ行くか」

その“もう少し”が積み重なり、結局かなりの距離を走ってしまう。

コンビニで買った冷たいスポーツドリンク。木陰で感じる風。アスファルトから立ち上る熱気。全部が「今年もこの季節が来たな」という感覚につながっていく。

夕方になって帰宅すると、ウェアは汗で重くなっていた。ヘルメットを外した瞬間に熱が逃げ、全身から一気に疲労感が押し寄せる。シャワーを浴びる前にジャージを脱ぎ、そのまま洗濯機へ放り込む。そのとき、不意に腕を見た。

グローブの境目。ソックスの上。半袖ジャージの袖口。うっすらと肌の色が変わっている。

「ああ、焼けたなぁ」

たったそれだけなのに、急に今日一日の景色が蘇る。強かった陽射し。照り返しの熱。橋の上の風。長く伸びた帰り道。まだ五月なのに、肌にはもう夏の痕跡が残っている。

日焼けは、疲労と少し似ている。楽しかった時間のあとにだけ残る。

もちろん実際は暑いし、汗だくだし、紫外線なんて無いほうがいい。けれどローディーにとって、走ったあとの薄い日焼けには、なぜか少しだけ特別な感情がある。

「あの季節がまた始まった」

そんな実感を、肌で理解する瞬間だからだ。

洗濯機の回る音を聞きながら、火照った腕をぼんやり眺める夜。窓の外には、昼の熱気がまだ少しだけ残っている。

夏はまだ入口のはずなのに、もう心は完全にサイクリングシーズンの中に入っている。

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