ロードバイクで見かけるエモい瞬間 Vol.026~夜を走る王子~

雑記コラム

昨日も書いてしまいましたが、最近、ナイトライドにはまっておりまして。楽しいですよね、夜走るのって。なんででしょうね。夜だと独りで走っても孤独を感じないのは。ということで今回のエモい瞬間はナイトライドを取り上げてみたいと。都内在住の方なら、もしかしたら私とすれ違っているかもしれませんね。

孤独ではなく、自分だけの、尊い時間

昼間の喧騒が嘘のように消えた街を、ひとりで走る。信号の色も、車の流れも、歩道の人影も、すべてがゆっくりとしたリズムに変わっている。ペダルを回す音とタイヤが路面をなぞる音だけが、自分の存在を確かめるように響く。

ナイトライドは不思議と気持ちが軽くなる。誰かに見られている感覚が薄れ、速さや距離に縛られる意識もどこかへ消えていく。昼間なら気にしていたはずの数字も、この時間帯ではどうでもよくなる。ただ進むことだけに集中できる環境が、余計なものを削ぎ落としていく。

街灯に照らされたアスファルトは、昼とはまるで別の表情を見せる。濡れていなくてもどこか艶があり、光が流れるように伸びていく。その上を滑るように走る感覚は、どこか現実離れしている。信号待ちで止まるたびに、静けさが一段と際立つ。エンジン音が遠くでかすかに聞こえるだけで、自分の周囲には何もない。

上り坂も、この時間だと受け取り方が変わる。苦しさはあるのに、どこか楽しさが混ざる。呼吸の荒さと鼓動の速さが、夜の空気に溶けていく。頂上に着いたときの景色は、昼よりも派手ではないが、そのぶん深く残る。光が点々と広がる街を見下ろしながら、無駄に遠回りしてでも帰りたくなくなる。

ナイトライドは孤独なのに、寂しさとは違う。誰にも干渉されない時間の中で、自分の感覚だけが研ぎ澄まされていく。帰宅したあとに感じる軽い疲労も、どこか心地いい。あの静かな時間をもう一度味わいたくて、また夜を選んでしまう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました