新年初ライド、9割のローディーがやりがちな10個の失敗

雑記コラム

新年初ライドは、毎年恒例の行事のようでいて、実は人それぞれ意味が違います。軽く体を動かしたい人もいれば、しっかり走りたい人、初詣や初日の出を絡めたい人もいる。目的が分散しやすいのが、元旦ライドの特徴です。そのため、普段なら起きないズレや無理が生まれやすくなります。

本記事では、新年初ライドでありがちな失敗を、装備・補給・ルート・安全・気持ちの持ち方といった観点から整理していきます。特別なテクニックや根性論ではなく、「なぜ失敗しやすいのか」「どこでつまずきやすいのか」を分解する内容です。走り初めを一日のイベントで終わらせず、一年を通して気持ちよく乗るための下準備として読んでいただければと思います。

  1. 元旦のテンションは、判断力を溶かす
    1. 新年初ライドが「特別イベント化」する理由
    2. なぜ毎年同じ失敗が繰り返されるのか
  2. 失敗1:寒さを甘く見て、開始30分で詰む
    1. 指先・つま先が終わる装備ミス
    2. 汗冷えして後半が地獄になるレイヤリングミス
    3. 首・耳・目の防寒を落として地味に削られる
  3. 失敗2:正月補給の感覚がバグる
    1. 朝から雑煮で満腹→走り出して気持ち悪い
    2. 空腹でも行ける気がしてハンガーノック
    3. 温かい飲み物がないだけでテンションが崩壊
  4. 失敗3:初詣・初日の出ルートが混雑地獄
    1. 神社前で押し歩き、クリートと心が削れる
    2. 歩行者・車・屋台のトリプルコンボで危険度が跳ね上がる
  5. 失敗4:走り初めの「張り切りすぎ」で脚が爆発
    1. 年末年始のサボりを忘れて踏んでしまう
    2. 登りで謎の競争が始まり、全員だいたい後悔
    3. 翌日にダメージが残り、正月後半の計画が崩壊
  6. 失敗5:整備不足のまま出撃して詰む
    1. 空気圧チェックを忘れて乗り心地が終わる
    2. チェーンが乾いて異音発生
    3. バッテリー残量で詰む
  7. 失敗6:新年アイテム投入、いきなり実戦して事故る
    1. 初めてのシューズ・サドル・グローブで違和感まつり
    2. ポジションをいじってから走り、どこかが痛くなる
    3. 新装備の操作に慣れておらず、判断が遅れる
  8. 失敗7:写真・SNS目的が先行して、現場で消耗
    1. 撮る場所探しで無駄にウロウロ
    2. 映えを狙って危ない場所に寄る
    3. 結局、投稿作業>走った時間に
  9. 失敗8:新年の誓い、その場で盛りすぎる
    1. 「今年は月◯◯km」宣言がその日のうちに重荷化
    2. 目標が抽象的すぎて三日坊主に
    3. 記録のために走り、楽しさが後回しとなる
  10. 失敗9:正月モードで安全意識が薄く
    1. 交通量が少ないと油断して、確認が雑になる
    2. 初詣渋滞の車列でストレスが溜まり、判断が荒くなる
    3. 日没が早いのにライト点灯が遅い
  11. 失敗10:帰宅後に「正月の現実」が襲ってくる
    1. 冷えた身体のケア不足で風邪をひく
    2. 食べすぎリカバリーで罪悪感が加速
    3. 片付けが面倒で、次のライドのハードルが上がる
  12. まとめ:新年初ライドは「欲張らない」が勝ち

元旦のテンションは、判断力を溶かす

元旦のライドは、不思議と気持ちが浮き立ちます。新しい一年の始まりだから、いつもより気合いが入る。いつもより景色がきれいに見える。だから「今日はうまくいく気がする」と思いやすい。ここが落とし穴です。

正月の高揚感は、良い意味では背中を押してくれますが、悪い意味では判断を雑にします。準備がいつもより甘くなるのに、走り方だけはいつもより強気になる。寒さや混雑、体の鈍さといった現実よりも、気分が先に前へ出てしまうのです。

しかも新年初ライドは、だいたい条件が厳しめです。外は冷える、日が短い、体は正月モード、生活リズムも崩れがち。にもかかわらず、心だけはお祭りです。このギャップが、あらゆる失敗の導火線になります。
本記事では、その「気分が先行した結果、ありがちな地雷」をまとめていきます。笑える範囲で済む失敗もあれば、危ない失敗もあります。新年一発目くらいは、気持ちよく終えて一年の流れを作りたいところです。

新年初ライドが「特別イベント化」する理由

新年初ライドは、ただの走行ではなく「年始の儀式」になりがちです。元旦という日付そのものに意味が乗るため、距離や強度よりも「走った事実」が主役になります。

初日の出、初詣、初カフェ、初峠など、何かしらの“初物”をセットにして達成感を作りたくなるのもその一因です。さらにSNSでの報告文化が背中を押し、「新年一発目はそれっぽく撮りたい」「縁起の良い場所を選びたい」と演出が増えていきます。

結果として、普段のライドより準備も期待値も膨らみ、イベントとして成立してしまうのです。

なぜ毎年同じ失敗が繰り返されるのか

毎年同じ失敗が繰り返されるのは、新年初ライドが「反省より気分」を優先しやすい場だからです。

年末年始は生活リズムが崩れ、体力も感覚も鈍りますが、気持ちだけは新年補正で前向きになります。その結果、準備不足でも「まあ大丈夫」と判断しがちです。

さらに失敗の多くが致命傷になりにくく、寒さで消耗した程度なら笑い話で終わって記憶に残りません。翌年も同じテンションで走り始め、同じ装備ミス、同じ補給ミス、同じ混雑ルートに突っ込みます。

つまり失敗の原因は技術ではなく、年始特有の油断と楽観が毎年再生産されることにあります。

失敗1:寒さを甘く見て、開始30分で詰む

新年初ライドで最初に襲ってくる敵は、だいたい寒さです。家を出た直後は「走れば温まるから大丈夫」と思えますし、正月の高揚感もあって不安が消えがちです。ところが現実は、温まる前に冷えで削られます。風は容赦なく体温を奪い、少しでも止まれば一気に寒さが染み込む。まだ身体が起きていない状態で冷気にさらされると、心拍も上がらず、ペースも上がらず、ただただ辛い時間が続きます。

そして厄介なのは、寒さのダメージが静かに積み重なることです。「ちょっと寒い」から始まり、気づけば集中力が落ち、判断が遅れ、休憩を取りたくなり、結果的に余計に冷える。たった30分でテンションが折れ、「今日は短めでいいか」と撤退ムードが漂うのもこのパターンです。新年一発目のライドが消耗戦になると、その後の予定まで崩れやすくなります。寒さは走力ではなく、段取りの差を容赦なく暴く相手です。

指先・つま先が終わる装備ミス

指先とつま先は、寒さ対策の中でも真っ先に切り捨てられがちな部位です。ハンドルを握っていれば大丈夫、シューズは走れば温まる、そう思って薄手の装備で出てしまうと失敗します。走行風は想像以上に容赦なく、体幹が温まっても末端だけは冷え続けます。

感覚が鈍るとブレーキ操作やシフト操作が雑になり、ただ辛いだけでなく危険も増えます。つま先も同様で、冷えが進むと踏み込む力が抜け、ペダリングが崩れます。指先とつま先の冷えは、一度終わると復活しません。新年初ライドほど、ここを軽視すると後悔します。

汗冷えして後半が地獄になるレイヤリングミス

寒さが怖くて着込みすぎると、次に待っているのが汗冷えです。走り出して体温が上がると、インナーがすぐに湿り、そのまま風を受け続けることになります。特に新年初ライドはペースが安定せず、止まる時間も増えがちです。

信号や休憩で動きを止めた瞬間、汗が一気に体温を奪います。すると再スタートがつらくなり、身体は温まらないのに濡れたまま走り続ける地獄が始まります。後半になるほど寒さが増し、「帰りたい」という気持ちだけが膨らむのもこのパターンです。レイヤリングの失敗は、体力ではなく気力を削っていきます。

首・耳・目の防寒を落として地味に削られる

首や耳、目まわりの防寒は、走り始めると後回しにされがちです。体や手足に比べて致命的に冷えないため、我慢できると思ってしまいます。

しかし風が当たり続けることで、じわじわと消耗します。首元から入る冷気は体幹まで冷やし、耳は痛みとして集中力を奪います。

さらに目が冷えると涙が出て視界が滲み、安全確認も雑になりがちです。こうした不快感は一気に崩れるわけではなく、気づかないうちに蓄積します。その結果、ペースも気分も下がり、ライド全体が重くなる。地味ですが、確実に効いてくる失敗です。

失敗2:正月補給の感覚がバグる

正月のライドは、走る前から補給の感覚が普段とズレやすいです。年末年始は食事の時間も内容も特別になり、空腹や満腹の基準がいつもと変わります。さらに寒さで喉の渇きを感じにくく、走っていても「まだいける」と思ってしまう。ここで油断すると、後から一気に帳尻が合わされます。

厄介なのは、補給の失敗が脚ではなく気分に先に出ることです。集中力が切れたり、やたらイライラしたり、なんとなく力が入らなくなったりしても、原因が補給だと気づきにくい。正月特有の浮かれた空気の中では、違和感を「正月だしそんなもの」と雑に処理しがちです。結果として、いつもなら回避できるレベルのミスが、そのままライドの質を落としていきます。新年初ライドは、走り方より先に食べ方と飲み方が問われます。

朝から雑煮で満腹→走り出して気持ち悪い

元旦は「縁起物だから」と雑煮をしっかり食べてから出発しがちです。温かくておいしいのですが、問題は量とタイミングです。餅は腹持ちが良い一方で重く、走り出すと胃が揺れて気持ち悪さにつながります。

さらに寒い外気で血流が末端に寄ると、消化も進みにくくなります。結果、踏んでも踏んでも気分が上がらず、休憩しても回復しない。新年初ライドでこの状態になると、テンションが早々に折れます。走るなら、満腹より「ほどほど」が正解です。

空腹でも行ける気がしてハンガーノック

正月は起床が遅くなったり、家の予定が挟まったりで、出発前の補給が雑になりがちです。すると「短めだし空腹でも行ける」と思って走り出します。寒さで空腹感が鈍り、序盤は案外踏めるので余計に油断します。

しかし身体は静かに燃料切れへ向かい、ある瞬間から急に脚が回らなくなります。集中力も落ち、判断も荒くなり、ただ帰ることだけが目的になります。ハンガーノックは気合いでは防げません。新年初ライドほど、最初の一口を軽視すると痛い目を見ます。

温かい飲み物がないだけでテンションが崩壊

冬のライドで温かい飲み物があるかどうかは、体力以上に気分を左右します。にもかかわらず、新年初ライドでは「すぐ帰るから」と省略されがちです。冷たいドリンクしかない状態で走り続けると、喉だけでなく気持ちまで冷えていきます。

休憩しても身体が温まらず、楽しみより我慢が勝ってくる。結果としてペースは落ち、寄り道する気力もなくなります。温かい一口は、補給以上に安心感を与えてくれます。それが無いだけで、ライド全体の印象が一気に下がるのが冬です。

失敗3:初詣・初日の出ルートが混雑地獄

新年初ライドの定番は、初詣や初日の出を絡めたルートです。縁起が良くて写真にもなるし、「新年っぽさ」が一気に出ます。ただ、その発想はだいたい皆さん同じです。結果として、目的地周辺だけ別世界の混雑が発生します。普段なら快走できる道でも、正月だけは歩く速度に合わせる区間が増え、ストップアンドゴーで体も冷えます。

さらに難しいのは、混雑が予想より広範囲に及ぶことです。神社の手前だけでなく、周辺道路や河川敷の合流地点、駐車場の出入り口など、至る所が詰まりやすい。そこへ歩行者、車、屋台の動線が重なり、落ち着いて走れる空気が消えます。新年の「気持ちよく走る」を求めて出たはずが、気づけば「安全に通過する」が主目的になってしまう。初詣・初日の出ルートは、気分を上げる代わりに、難易度も上げてきます。

神社前で押し歩き、クリートと心が削れる

初詣ルートの罠は、神社の手前で突然「歩くしかない区間」が始まることです。人の流れに合わせて押し歩きになると、クリートは滑る、カツカツうるさい、歩幅も合わないで一気に疲れます。

しかも周囲は徒歩の参拝客ばかりで、気まずさも増します。ようやく抜けた頃には脚より先に心が削られ、「もう帰ってもいいか」という空気が漂う。新年初ライドの理想が、神社前で現実に叩き落とされる瞬間です。

歩行者・車・屋台のトリプルコンボで危険度が跳ね上がる

初詣エリアの危険は、交通の種類が一気に増えることです。歩行者は横断や立ち止まりが多く、車は渋滞でイライラしがちです。そこへ屋台の列がはみ出し、視界も進路も狭くなります。

自転車はどの動線にも中途半端に挟まれ、スピードを出せないのに神経だけ使います。さらに子どもや荷物を持った人の動きは読みにくく、回避の余地が少ない。新年の雰囲気に油断すると、判断が遅れてヒヤッとします。混雑地獄は、楽しいより先に危ないが来ます。

失敗4:走り初めの「張り切りすぎ」で脚が爆発

走り初めは、気持ちが先に脚を追い越します。新年の空気を吸うだけでやる気が湧き、「今日はいい感じに踏めそう」と錯覚しやすい。年末年始の緩んだ生活をなかったことにして、普段の調子でいきなり踏み始めると、身体は正直に反応します。最初は軽く回っているつもりでも、心拍だけが先に上がり、呼吸が荒くなり、脚に乳酸の気配が漂う。そこで引けばいいのに、新年の勢いがそれを許しません。

さらに走り初めは、同じようにテンションが高い人が集まりやすい日でもあります。ペースが自然と上がり、止めどころを失い、いつの間にか自分の適正を超えた走りになります。結果、後半は脚が空回りし、景色を楽しむ余裕も消え、「新年初ライドなのにしんどい」が残る。張り切りすぎは、達成感より後悔を持ち帰る最短ルートです。新年の一発目ほど、抑える勇気が必要になります。

年末年始のサボりを忘れて踏んでしまう

年末年始は乗れていないのに、気分だけはいつもの自分に戻っています。久々のロードバイクは軽く感じ、脚も回っている気がして、ついつい踏んでしまいます。

しかし身体は正直で、筋肉も心肺もまだ起きていません。序盤に無理をすると、後から一気に重さが来て、脚が終わります。しかも正月は寒さで回復もしにくく、踏んだ分だけダメージが残りやすい。新年初ライドは「様子見」が正解なのに、つい忘れる。これが毎年の定番ミスです。

登りで謎の競争が始まり、全員だいたい後悔

登りに入った瞬間、なぜか空気が変わります。誰も何も言っていないのに、前の人が少し踏む。後ろの人も釣られる。気づけば新年らしさより、勝ち負けの雰囲気が立ち上がります。問題は、年末年始の鈍った身体でそれをやることです。

頂上に着いた瞬間は達成感がありますが、後悔はすぐ来ます。呼吸は整わない、脚は売り切れ、帰りはただ耐えるだけ。全員だいたい、下りで無言になります。新年の登りは、競争が始まった時点で負けです。

翌日にダメージが残り、正月後半の計画が崩壊

走り初めで張り切りすぎると、問題は翌日に出ます。筋肉痛だけならまだしも、疲労が抜けず、身体が重いまま正月後半に突入します。本当は数日かけて気持ちよく乗る計画だったのに、初日に全力を出してしまい、その後は回復日が増える。

結果、乗る回数が減り、距離も伸びず、気分だけが焦っていきます。正月は睡眠や食事も乱れやすく、回復条件も悪いので余計に残ります。新年のスタートを良くしたつもりが、後半の予定を潰す典型です。

失敗5:整備不足のまま出撃して詰む

新年初ライドは、なぜか整備の優先順位が下がります。年末年始は予定が詰まりやすく、乗らない日が続く一方で、気持ちだけは「とりあえず走りたい」に向かいます。すると本来なら出発前にやるべき確認が、なんとなく省略されます。走り出してしまえば大丈夫だろう。去年もこれで何とかなった。そういう雑な自信が働きやすい日です。

しかし整備不足は、走り始めてからじわじわ効いてきます。普段の違和感なら流せる程度でも、新年の冷えた空気と久々の身体には妙にストレスになります。しかも正月はショップも混みやすく、トラブルが起きた時のリカバリーが面倒です。せっかくの走り初めが「帰るためのライド」になるのはもったいない。新年一発目こそ、走力より事前チェックで勝負が決まります。

空気圧チェックを忘れて乗り心地が終わる

出発前の空気圧チェックを忘れると、新年初ライドはだいたい不快から始まります。タイヤは放置するだけで少しずつ抜け、冬は体感的にも重く感じやすい。空気が足りないと転がりが悪く、踏んでも進まないので、序盤から無駄に疲れます。

逆に高すぎても跳ねて落ち着かず、手や腰に地味に効いてきます。さらに路面が荒い冬は、乗り心地の差がそのままストレスになります。空気圧は数十秒で整うのに、忘れた瞬間にライド全体が損をします。新年一発目ほど、ここでケチると後悔します。

チェーンが乾いて異音発生

年末年始に乗らない期間があると、チェーンは乾きやすくなります。見た目は問題なくても、走り出すとシャリシャリ、ギシギシと異音が出て、新年の気分が一気に冷めます。音は小さくても気になり続け、ペダリングも雑になりがちです。

しかも乾いた状態は摩耗も進みやすく、「走り初めで消耗させる」という最悪のスタートになります。途中で注油しようにも、手は汚れるし、寒いし、面倒です。新年初ライドは気持ちよさが命なのに、チェーンの音ひとつで台無しになります。出る前の一滴で、全部防げる失敗です。

バッテリー残量で詰む

バッテリー系の詰みは、新年初ライドで起きやすい定番です。ライトやサイクルコンピューター、電動変速は、年末年始に触らないまま放置されがちで、いざ走ると残量が心許ない。

冬は気温の影響で減りも早く、予定より早く警告が出ます。ライトが切れれば安全面で即アウト、サイクルコンピューターが落ちれば記録もナビも消えます。電動変速が不調なら、気分も走りも一気に崩れます。充電は家で数分の確認で済むのに、忘れた瞬間に全部が面倒になる。新年初ライドほど、残量確認は儀式にしておくべきです。

失敗6:新年アイテム投入、いきなり実戦して事故る

新年は物欲の季節です。初売り、セール、お年玉、年末の勢い。何かしら新しいアイテムを手に入れて、「せっかくだし走り初めで使おう」となりがちです。気持ちは分かります。新年のスタートに新装備を合わせると、気分も上がりますし、気持ちよく一年を始められそうに見えます。しかし実戦投入のタイミングとしては、わりと危険です。

新しい道具は、慣れていないだけで判断を遅らせます。違和感があるのに「せっかくだし」と我慢する。使い方が曖昧なまま走りながら試す。そういう小さな無理が積み重なり、危ない瞬間を呼びます。さらに新年初ライドは、寒さや混雑など別の負荷も重なりやすい日です。そこに新装備の不確定要素を足すと、トラブルの引き金が増えます。新年の勢いで実戦投入したくなる気持ちが、いちばんの罠です。まずは無難に走り、次に装備を楽しむ。この順番が安全です。

初めてのシューズ・サドル・グローブで違和感まつり

新年の新装備でやりがちなのが、シューズやサドル、グローブをいきなり本番投入することです。これらは快適さの核心ですが、慣れないと違和感が即出ます。シューズは当たりが痛くなり、サドルは座り方が決まらず、グローブは厚みで操作感が変わる。

最初は小さなズレでも、走行中に意識を奪われ続けてストレスになります。結果、姿勢が崩れて別の痛みが出たり、操作が雑になったりします。新年初ライドは気分よく走りたいのに、違和感の品評会になって終わる。これが一番もったいないパターンです。

ポジションをいじってから走り、どこかが痛くなる

新年になると、なぜかポジションを触りたくなります。気持ちを切り替えたい、速くなりたい、見た目を整えたい。そんな理由でサドル高や前後、ハンドル位置を少し動かし、そのまま走り初めに出てしまいます。ところがポジション変更は、数ミリでも身体への負担が変わります。

序盤は気づかなくても、距離が進むほど違和感が痛みに変わり、途中で取り返しがつきません。腰、膝、首、手のひら。どこかが鳴り始めると、楽しさより我慢が勝ってきます。新年の勢いでいじった結果、帰宅後に「なぜ触った」と反省するのが定番です。調整は短時間の試走で済ませるべきです。

新装備の操作に慣れておらず、判断が遅れる

新装備は、性能より先に操作の慣れが必要です。ライトの点灯方法が変わった、サイクルコンピューターの画面遷移が違う、グローブが厚くてボタンが押しにくい。そんな小さな違いが、走行中の判断を遅らせます。止まればいいのに「走りながらいける」と触り始め、視線が下がり、手元が忙しくなり、周囲の確認が薄くなる。

特に新年の混雑や寒さの中では、余裕がさらに減ります。結果、避けられたはずのヒヤッとする場面が増えます。新装備は便利ですが、慣れていない時点では注意散漫の原因にもなります。初回は安全第一で、操作確認を済ませてから走るべきです。

失敗7:写真・SNS目的が先行して、現場で消耗

新年初ライドは、走ること以上に「記録すること」が目的になりやすい日です。元旦という日付自体がネタになるので、いつもより写真を撮りたくなる。初日の出、初詣、今年初カフェ、今年初峠。何かしらの区切りを並べるほど、新年感は強くなります。ここまでは普通の話ですが、問題は現場でその欲が暴走することです。

撮る前提で動くと、走りのテンポが崩れます。ルート選びも「走りやすさ」より「絵になるか」に寄り、結果として無駄に遠回りになったり、混雑へ突っ込んだりします。さらに撮影のために止まる回数が増えると、冬は一気に冷えます。新年らしさを残したい気持ちが、体力と気力を削っていく。最後に残るのが写真だけになり、肝心のライドの印象が薄いまま終わるのがこの失敗です。新年初ライドは、走った満足感と撮った満足感のバランスを崩しやすい日です。

撮る場所探しで無駄にウロウロ

新年初ライドは「それっぽい一枚」が欲しくなり、撮影場所探しが始まります。初日の出が見える堤防、鳥居とロードバイクが映える角度、人気の無い直線。ところが現場に行くと意外と微妙で、もう少し先へ、あと一段上へとウロウロしがちです。走っている時間より、止まって探している時間が増えると冬は一気に冷えます。

しかも時間が押すほど焦りが出て、結果的に雑な写真で妥協する。新年の一枚を求めたはずが、体力と気分だけ削れていく。これが撮影場所迷子の典型です。

映えを狙って危ない場所に寄る

映える写真を撮りたい気持ちが強いほど、判断が危うくなります。車道脇の狭い路肩、橋の上、見通しの悪いカーブ、河川敷の段差の上。景色が良い場所ほど、安全に止まれる場所ではないことが多いです。

さらに新年は人も車も動きが読みにくく、撮影に気を取られると周囲確認が甘くなります。撮れた一枚は満足でも、ヒヤッとした瞬間が残れば台無しです。写真はあとで何度でも撮れますが、危険は一度で終わりません。新年初ライドほど、映えより安全が優先です。

結局、投稿作業>走った時間に

新年初ライドは、走る前から投稿の構想ができています。元旦、初日の出、初詣、今年初ライド。ネタが揃っている分、写真も文章も欲張りたくなります。結果、現場で撮り直しが増え、帰宅後も選別と編集に時間を取られます。

気づけば、走った時間より投稿作業の方が長い。しかも投稿を整えるほど「やり切った感」が出てしまい、肝心のライドの余韻が薄れます。新年に欲しいのは、記録よりも気持ちよく走った実感のはずです。投稿が目的になると、ライドが素材に成り下がります。これが一番もったいない逆転現象です。

失敗8:新年の誓い、その場で盛りすぎる

新年初ライドは、気分が高い状態で走り出すので、頭の中に目標が湧きやすい日です。去年より速くなりたい、もっと痩せたい、もっと走りたい。走っている最中は体も温まり、気分も上がり、「今年はやれる」と思えます。ここで誓いを立てること自体は悪くありません。むしろ新年らしくて健全です。問題は、その誓いが勢い任せになりやすいことです。

ライド中のテンションは、現実の生活を一時的に忘れさせます。仕事、家族、天候、体調、忙しさ。そうした制約が頭から消え、理想だけが大きくなります。しかも新年は、周りも前向きな空気なので、宣言したくなる。結果、現場の高揚感で誓いを膨らませすぎて、後から自分を苦しめます。新年の誓いは、気合いの産物ではなく、続けられる設計であるべきです。走り初めの勢いは強い分、誓いを盛る誘惑も強い日です。

「今年は月◯◯km」宣言がその日のうちに重荷化

新年の勢いで「今年は月◯◯km走る」と宣言すると、達成感より先に重荷が生まれます。数字が具体的なぶん、翌日から即座に未達が意識されるからです。正月の数日で乗れない日があるだけで、帳尻合わせが頭にちらつきます。するとライドが楽しみではなくノルマになり、天気や体調が悪い日でも無理に走りたくなる。

結局、最初の一週間で疲れて嫌になりがちです。目標が自分を鼓舞するはずが、監視役に変わる。これが「月◯◯km宣言」の怖さです。

目標が抽象的すぎて三日坊主に

新年の目標が「もっと速くなる」「もっと強くなる」「もっと乗る」だけだと、だいたい三日坊主になります。良い言葉ですが、何をすれば達成なのかが曖昧で、翌週には判断基準が消えるからです。曖昧な目標は、達成しても実感が薄く、未達でも危機感が出ません。

結果、最初の数回は気合いで動けても、忙しさや天候に負けた瞬間に終わります。目標が抽象的だと、計画も抽象的になり、行動が続きません。新年の誓いは、気持ちより手順に落とし込めるかが勝負です。

記録のために走り、楽しさが後回しとなる

新年は記録を付け直す節目でもあり、走る理由が「楽しいから」から「数字を作るため」に寄りがちです。距離、獲得標高、平均速度。目標に合わせてコースを選び、休憩を削り、寄り道を我慢する。

するとライドは達成感はあっても、余韻が薄くなります。さらに数字が伸びない日は、走ったのに損をした気分になります。

記録は本来、楽しさの証拠のはずです。それが目的になると、楽しさは後回しになり、続けるほど疲れていきます。新年こそ、数字はおまけにして走った気持ちよさを主役に戻すべきです。

失敗9:正月モードで安全意識が薄く

正月は、道路の空気が普段と違います。交通量が少ない時間帯があったり、街全体が静かだったりして、「今日は走りやすそう」と感じやすい。新年の気分も相まって、警戒心が少しだけ緩みます。これが危ない。安全意識は、危険が見えている時よりも、危険が少なそうに見える時に落ちやすいからです。

さらに正月は、周囲の動きが読みにくくなります。慣れない道を走る車、久々の運転、家族連れの急な動き。そこへ自転車側も「新年だし気持ちよく走りたい」という欲が出て、確認が雑になりがちです。危ない状況は、派手に来るのではなく、小さな油断が重なって生まれます。新年初ライドは気分を上げる日ですが、安全だけは平常運転でいるべきです。気持ちよさと安全は両立できますが、油断だけは一瞬で全部を壊します。

交通量が少ないと油断して、確認が雑になる

正月は時間帯によって交通量が少なく、「今日は空いている」と感じやすいです。すると交差点や合流での確認が雑になります。左右を見る回数が減る、後方確認を省く、止まるべき場面で惰性で進む。こうした小さな省略が増えていきます。

危ないのは、車が少ないほど一台の存在が大きくなることです。たまたま来た一台に気づくのが遅れれば、それだけでヒヤッとします。空いている日は安全ではなく、油断しやすい日です。新年初ライドほど、いつも以上に丁寧に確認した方がうまくいきます。

初詣渋滞の車列でストレスが溜まり、判断が荒くなる

初詣エリアの渋滞は、車も自転車も余裕を削ります。車列の横をゆっくり進む時間が長くなると、寒さと待ち時間でイライラが溜まります。すると判断が荒くなり、無理に前へ出たくなる。隙間を抜ける、合流を急ぐ、急に車道へ戻る。こうした動きが増えます。

さらに車側もストレスが高く、急な車線変更や幅寄せなど、動きが雑になりがちです。お互いに余裕が無い場所で、強引な判断をすると危険が跳ね上がります。渋滞は速度が出ない分、安全に見えて一番危ない。新年初ライドほど、ここは我慢が勝ちです。

日没が早いのにライト点灯が遅い

冬は日没が早いのに、ライト点灯はつい遅れがちです。走っている本人は「まだ見えている」と思ってしまい、暗さの進行を過小評価します。しかし見えると見られるは別で、夕方は車から自転車が最も見落とされやすい時間帯です。

特に正月は運転に不慣れな車も混じり、危険が増えます。ライトを点けるのは自分の視界のためだけではなく、存在を知らせるためです。暗くなってから点けるのでは遅く、薄暗くなった時点で点けた方が安全です。新年初ライドほど、点灯は早めが正解です。

失敗10:帰宅後に「正月の現実」が襲ってくる

新年初ライドの失敗は、走っている最中だけで終わりません。帰宅した瞬間に、正月の現実がまとめて襲ってきます。身体は冷え切り、意外と疲れていて、手足も動かしにくい。そこへ家の予定や食事、親戚の集まり、片付けなど、正月らしいタスクが待っています。ライドで気分は上がったはずなのに、現実の重みで急に落ちる。これが地味に効きます。

さらに正月は、生活リズムが普段と違うため、回復の段取りも崩れやすいです。着替えや補給、道具の手入れを後回しにし、疲労だけが残る。翌日も乗るつもりだったのに、気づけば休む選択になり、計画がズレていく。走り初めを良い思い出で終えるには、帰宅後の数時間が重要です。新年のライドは走り切るまでではなく、日常に戻れるところまでがセットです。そこを雑にすると、気持ちよく始めた一年の流れが早々に乱れます。

冷えた身体のケア不足で風邪をひく

冬のライド後は、身体が冷えたままになりやすいのに、正月は帰宅後の動きが雑になりがちです。汗をかいたまま部屋でダラダラする、濡れたインナーを着替えない、暖房の効いた部屋で油断する。こうした積み重ねで、喉がイガイガし始めます。

特に新年は睡眠不足や食生活の乱れも重なり、免疫が落ちやすい時期です。結果、翌日に「なんか風邪っぽい」で予定が崩れます。走り終わってからの保温と着替えは、トレーニングより優先度が高い。新年初ライドほど、最後のケアで勝敗が決まります。

食べすぎリカバリーで罪悪感が加速

新年初ライドを走ると「今日は頑張った」という気分になります。そこで帰宅後の食事が緩み、正月料理を遠慮なく盛りがちです。ところが冬のライドは消費カロリーが思ったほど伸びないことも多く、帳尻合わせのつもりが余計に上乗せになります。

満腹になると動く気も失せ、だらだらして回復も遅れる。翌日、体が重くて乗れない。すると罪悪感が増え、「走ったのに太った気がする」という最悪の感情が残ります。リカバリーは食べれば良いではなく、必要な分だけが正解です。新年初ライドほど、食後の満足と後悔の差が大きく出ます。

片付けが面倒で、次のライドのハードルが上がる

新年初ライド後は、疲れと正月気分で片付けが後回しになりがちです。バイクは汚れたまま、ウェアは洗濯待ち、道具も出しっぱなし。すると次に乗る時の準備が一気に面倒になります。空気圧、充電、洗濯、全部が未着手だと「今日はやめておくか」と判断しやすくなってしまいます。

結果、間が空き、気持ちも離れます。走り終わった直後に最低限を片付けておけば、次は楽なのに、その一手間を惜しむ。新年初ライドの締めが雑だと、次の一歩が遠くなります。

まとめ:新年初ライドは「欲張らない」が勝ち

新年初ライドは、つい全部盛りにしたくなる日です。初日の出も見たい、初詣も行きたい、距離も稼ぎたい、写真も撮りたい。新年らしさを詰め込むほど満足できそうに見えますが、現実は逆で、欲張るほど失敗の確率が上がります。寒さ、混雑、補給、整備、体の鈍さ。条件が厳しい中でやることを増やすと、どこかで必ず破綻します。

うまくいく人は、最初から目的を絞っています。走るだけで良い日、初詣を優先する日、短く気持ちよく終える日。こうして取捨選択ができると、無理が減り、危険も減り、終わった後に良い余韻が残ります。新年初ライドで一番大事なのは、完璧な一日を作ることではなく、気持ちよく一年を始めることです。欲張らないことは妥協ではなく、成功の設計です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました