LOOKとルック車。
一文字入るだけで、こうまで意味が違っちゃう言葉ってロードバイク界隈で他に無いですよね。
でもルック車って一流ブランドの過去モデルを真似したデザインが多いので、LOOKもモデルを遡っていけば、どこかの時代でルック車のように見えるモデルに辿り着くんじゃないか?
そんな単純な考えですが、今回、検証してみました。
検証は各時代のフラッグシップモデルを遡り、どの時代で見た目的にルック車になるのか。
結論は………!?
ぜひ最後までご覧くださいませ。
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LOOKの悲劇~ルック車と呼ばれ続けて~
フランスを代表するロードバイクブランドLOOK。
ロードレース史で燦然と輝くそのカーボン技術と美しいフレームデザインはいつの時代もローディーたちを魅了してきた。
そんなLOOK、日本ではよく誤解を招く。
そう、ルック車の存在とその名称である。
ルック車は見た目だけロードバイク風の自転車を指す俗称で、高額なロードバイクに乗っている者ほど、しばしばこの「ロードバイク風自転車」を「ルック車」と呼び、小馬鹿にする。
なぜならルック車は見た目がロードバイク風なだけで、重量や性能はママチャリと同レベル。しかも2万円~4万円ほどの安価な値段で販売され、Amazonや楽天、ホームセンターなどで誰でも容易に購入できるためだ。
しかも彼らの間では、LOOKのロードバイクを「ルック車www」と、ネタとして蔑むのもお約束になっている。
要は高額バイクに乗るロードバイクおぢ特有のマウント取りなのだ。
LOOKに乗っているローディーからしたら、たまったもんじゃない。
しかも当然ながら一般の方はLOOKもルック車も同じロードバイクとしか理解しないので、LOOKに乗っていても「あの人、ルック車に乗ってるんだって」と誤解で話をされてしまうのだから。
これをLOOKの悲劇と言わずして何というか。
2025年現在のフラッグシップモデル 795 Blade RS

現行モデル 795 Blade RSの解説
LOOKの現行フラッグシップモデル「795 Blade RS」は、フランスのレーシングブランドらしさを凝縮したトップグレードのエアロロードです。
空力性能と軽量性を両立するカーボンモノコックフレームを採用し、2021年の刷新でフレーム重量は約300g軽量化。ハンドル・ステム一体型のエアロコックピットや完全内装ケーブル設計により、空気抵抗を最小限に抑えています。
プロチームCofidisも使用し、剛性感・応答性・高速巡航性能すべてが高水準。LOOKの技術力と美意識を象徴する、純レーシング志向のフラッグシップモデルです。
さすがに現行モデルは現在のトレンドをしっかりと抑えたシンプル&スタイリッシュなデザインですね。トップチューブも水平なホリゾンタルフレームで、ふつうにカッコいい。
結論:もちろん現行モデルはルック車じゃなくLOOK車
2019年のフラッグシップモデル 795 Blade RS

2019年モデル 795 Blade RSの解説
2019年のLOOK 795 Blade RSは、当時のカーボンテクノロジーと一体成形技術の粋を集めたフラッグシップモデルです。
フレームには高弾性46t・中弾性30t・高強度24tのカーボンを組み合わせたマルチレイアップ構造が採用され、フレーム重量は約950g、フォークは約300gと軽量ながら高い剛性を備えています。
BB規格はPF/BB386(シェル径46mm・長さ86.5mm)、ねじ込み式TOKEN BBの使用が推奨されており、汎用クランクの装着性と剛性を両立する設計で、タイヤクリアランスはリムブレーキ仕様で最大28C、ディスク仕様で最大30Cに対応し、前後12mmスルーアクスル(Mavic SpeedRelease)を採用することで高い剛性と着脱性を実現しています。
ケーブルは内装化され、専用ADSステムとAEROPOST 2シートポストを用いた統合エアロ設計によって、空力性能とポジション調整幅を両立しています。リムブレーキ仕様ではシートステーブリッジを廃し、ダイレクトマウントブレーキを延長台座に装着する構造とすることで、快適性と後三角のしなり性能を高めています。
このように795 Blade RSは、空力性能、軽量性、快適性を高い次元で融合した、当時のLOOKの設計思想を象徴するモデルです。
ケーブル類こそ完全内装ではないですが、まだまだ現行モデルに近いシンプルなデザインですね。トップチューブは当時の流行だった前上がりなスローピングフレームが特徴的。いやーこのモデルもカッコいいですねー。当時はCorima(コリマ)がLOOK傘下だったのでホイールもCorimaを履いているのが懐かしい限りです。
結論:まだまだルック車には見えず、LOOK車に見える
2017年のフラッグシップモデル 785 Huez RS

2017年モデル 785 Huez RSの解説
2017年に発表された785 Huez RSは、LOOKが“登坂性能”を最優先に据えて開発したモデルであり、軽量化と高剛性の両立を技術的主眼としています。
まずフレーム重量730 g、フォーク重量280 gという軽さが大きな特徴。フレーム素材として5種類のカーボン繊維を使用し「最高モジュラス(Ultra High Modulus)/高モジュラス(High Modulus)を70%以上」という高剛性仕様で、クライミング時の反応性に重点を置いたフレームでした。
またジオメトリも登坂仕様として設計されており、チェーンステイ長を短く、ホイールベースをコンパクトに保つことで、“急勾配で足をかけてから横に振る”ような場面でも反応が良いとされています。
ケーブルルーティングも内装化が進められ、フロントフォークからトップチューブ/ヘッドチューブ内にケーブル類を通すことで空力的配慮も見られます。
総じて、785 Huez RSは「超軽量カーボン構造+競技登坂ジオメトリ+ケーブル内装化」という三つの技術軸を中心に据えたモデルであり、軽量クライミング仕様でありながらLOOKレーサー指向を明確に打ち出した機体と言えます。
795 Blade RSをリリースする前のLOOKのフラッグシップと言えば785 Huez RS。デザインが2019年の795 Blade RSの元となっているのがよくわかりますね。トップチューブとステムが面一(ツライチ)になっていなかったりと、エアロというより軽量化が絶対視されていた時代のモデルだなあとつくづく感じます。
結論:現行モデルと言っても騙せるくらいLOOK車に見え、ルック車っぽくはない
2014年のフラッグシップモデル 695 AEROLIGHT

2014年モデル 695 AEROLIGHTの解説
2014年のLOOK 695 Aerolightは、同社が「軽量・空力・統合設計」をテーマに開発したフラッグシップモデルです。
素材には新たに1.5kカーボン繊維を採用し、前作から約90gの軽量化を実現。ブレーキを含めたフレーム重量は約925gとされ、剛性と軽量性を高次元で両立しています。フレーム・フォーク・ステム・シートポスト・クランクまでを一体で設計し、専用のAerostemとZed 2クランクを採用。Zed 2クランクは170/172.5/175mmの長さ調整が可能で、110/130BCD両対応の実用性を備えています。
前ブレーキはフォーク内蔵型のダブルV構造、後ブレーキはチェーンステイ下に配置し、ケーブルも内装化。これにより空気抵抗を最小限に抑えています。ボトムブラケットは独自のBB65規格を採用し、ヘッドチューブやダウンチューブも大断面化することで高剛性を確保。実際の試乗評価でも、ペダリング時のたわみの少なさが指摘されています。
一方で快適性はあえて犠牲にされ、反応性とレーシーさを最優先した設計となっています。総じて695 Aerolightは、LOOKが誇る構造技術と空力思想を結集した、当時を代表するエアロロードの完成形といえるモデルです。
■695 AEROLIGHT PROTEAMモデル

LOOKで795 Blade RSや785 Huez RS以前のフラッグシップと言えば、この695 AEROLIGHT。
おぉ?これは…!?
ド派手なカラーリング、時代を感じさせる主張の強いホイール、流れるようなデザインをしたシャープでレーシーな見た目、白いシートポストに合わせた白サドル、今では考えられない白や黄色の色付きケーブル。
特に黒フレームのPROTEAMモデルは、今でも通用するカッコ良さも存分にあるものの、ルック車特有のダサい成分もかなり感じられますよね!ね!
ルック車の代表ブランドとして知られるPANTHER(パンサー)とかCANOVER(カノーバー)とかFUNN(ファン)と、見た目的にかなり近くないですか?
ルック車って今からちょうど10年くらい前のロードバイクブーム時のデザインであることが多いので、これはもうLOOKのルック車と言っても過言ではないのでしょうか。
結論:2014年のフラッグシップモデル(695 AEROLIGHT)は、もうLOOKのルック車
まとめ
いかがでしたでしょうか。LOOKは2014年の695 AEROLIGHTからルック車に見えるってのが今回の検証でわかりました。いや、くだらない企画だったけれど、調べていて面白かった!
でもLOOKのバイクって、やっぱいつの時代もカッコいいですね。どの時代でも一目で「お、LOOK」とわかるデザイン。簡単なようでいて、とてもセンスが必要となるものです。
にしてもLOOKの代理店ってどうなったんだろう?
ほぼ2か月前にLOOKの代理店だったユーロスポーツインテグレーションのWEBサイトで
2025年9月1日より、(株)ユーロスポーツインテグレーションの業務は「ユーロスポーツ 岡部オフィス」へ引き継がれました。
と簡潔に業務終了の告知がされたものの、引継ぎ先であるユーロスポーツ岡部オフィスの動きが全くない状況ですし。
そんなLOOKを取り上げたいという思いもあり、今回の企画に至りました。
日本で不透明な未来と不遇な誤解を受けてしまっているLOOKに幸あれ!



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