Tier Zに分類されるのは、データや日本での流通量が乏しく、現時点では格付けに値する情報が揃っていないブランド群です。性能や信頼性の指標が不足しているためホイールの良し悪しを判断できず、「評価不能」として扱われます。
ただしこれは“最下層”という意味ではなく、むしろ今後の展開次第で評価が一気に変わる可能性を秘めたゾーン。新興ブランドやニッチなメーカーが多く、情報の少なさゆえに未知数の魅力が残されているカテゴリーです。実際、埋もれたブランドの中から後に評価が跳ね上がる例もあり、マニアにとっては“掘り出し物探し”の楽しみがあるのもTier Zならではの特徴といえるでしょう。
ロードバイクのホイール格付けTier Zランクの立ち位置
Tier Zは、既存の評価軸に当てはめること自体が難しい“未確認領域”のポジションです。ラインナップは存在しても国内での使用例が極端に少なく、実走レビューや比較データもほとんど見つからない。
そのため「悪い」と断定する根拠はなく、単純に判断材料が不足しているだけというのが実態です。言い換えれば、Tier Zはブラックボックスのまま眠っている可能性株。まだ評価されていないだけで、将来的に化ける可能性もゼロではありません。逆に言えば、情報を持たないまま人に勧めたり、過度に期待して購入するのはリスクが高い領域。格付け上は“最下層”ではなく、むしろ「未知数ゆえに棚上げされた段階」として捉えるのが適切です。
Tier Zランク 2025年の格付け評価
項目 | 点数 |
ステータス性 | 評価不能 |
実績 | 評価不能 |
ブランド人気 | 評価不能 |
希少性 | 評価不能 |
羨望性 | 評価不能 |
合計 | 評価不能 |
ホイール格付け総合Zランク Scribe(スクライブ)


Scribe(スクライブ)のブランド/メーカー解説
Scribe(スクライブ)は2019年にアイルランドで設立された新興ホイールブランドで、直販モデルを中心に展開しています。最大の特徴は「軽量×コストパフォーマンス」の両立で、ラインナップには軽量モデルの SuperLight+ シリーズ があり、最新のリム形状や内部幅設計を採用しつつ、大手メーカーよりも抑えた価格で販売されています。公式サイトによると、たとえば Élan SuperLight+ 50 Disc Carbon は公称 1,268g、CORE SuperLight+ 40 Disc Carbon は 1,314g といった数値が公開されており、深リムモデルとしては驚異的な軽さを誇ります。価格帯はカーボンモデルで 約21〜23万円前後(1,399〜1,499ドル)、アルミモデルは10万円以下とされ、ハイエンドのENVEやZIPPと比べれば半額以下で入手できる点は大きな魅力です。
軽量性と空力性能のバランスに注力しており、リム内部幅を広げた「Wide+」設計や、トレンドのトレカ T1000 カーボン素材を活用。さらに直販ならではの価格優位性に加え、3年間の保証やクラッシュリプレイス制度も整えており、ユーザーサポート面でも一定の安心感を提供しています。ただし、日本国内での流通量は極めて少なく、実走レビューや長期使用による耐久性の情報は限られています。公称値は優秀ながら、実測では100g前後重く出ることもあり、数値をそのまま鵜呑みにできない点も課題です。
現時点では国内知名度も低く、Tier Z「評価不能」の扱いに留まりますが、スペックや価格を見れば将来的に一気に格付けを上げる可能性を秘めたブランドといえるでしょう。
ホイール格付け総合Zランク CRAFTWORX(クラフトワークス)


CRAFTWORX(クラフトワークス)のブランド/メーカー解説
CRAFTWORX(クラフトワークス)は2012年にオーストラリア・ブリスベンで誕生したハンドビルド系ホイールブランドです。大量生産ではなく職人的な手組みにこだわり、軽さ・耐久性・快適性のバランスを重視した設計を特徴としています。すべてのホイールはオーストラリア国内で組み上げられ、3年保証とライフタイムクラッシュ補償が付帯するなど、サポート体制も整っています。
カーボンモデルのフラッグシップであるUltima SLR 33/38 Discは、公称重量1,133gという驚異的な軽さを誇り、ヒルクライム志向のライダーに強いインパクトを与えます。一方でアルミモデルのUltima SL3はスポーク数によって重量が変化し、最軽量構成で1,499g、より剛性を高めた仕様では1,600g超となるなど、用途に応じた選択肢が用意されています。
価格はカーボンディスクモデルで約55〜60万円前後(AUD 3,199)、アルミモデルで約20〜25万円前後(AUD 1,299)と公表されており、決して安価ではないもののハンドビルド品質を考えれば妥当な設定といえます。外幅30mm・内幅22mmといったワイドリム設計やペイントレス仕上げなど、近年のトレンドを積極的に取り入れている点も特徴です。
ただし、日本での流通量は極めて少なく、長期使用レビューや実走データは限られています。数値上の魅力は十分ながら、その性能が実際にどこまで再現されるかは未知数です。Tier Zに分類されているのは知名度やデータ不足ゆえであり、将来的に評価が変わる可能性を秘めたブランドといえるでしょう。
ホイール格付け総合Zランク Litepro(ライトプロ)


Litepro(ライトプロ)のブランド/メーカー解説
Litepro(ライトプロ)は中国を拠点とする新興ブランドで、もともとはミニベロや折りたたみ自転車用の軽量パーツで名を広めました。特に20インチや451規格のホイール、クランク、ステムなどで小径車カスタム愛好者から定番的に支持されています。近年はロードバイク市場にも進出し、カーボンリムを用いたエアロホイールやディスクブレーキ対応モデルを展開。小径車ブランドのイメージが強い一方で、ロード用でも存在感を出そうとしています。
価格帯はカーボンホイールでおよそ7〜15万円前後と比較的安価で、完成車付属ホイールからのステップアップを狙う層にとって手が届きやすい水準です。公式サイトに掲載されているモデルでは、「AERO 40mm Carbon」20インチ仕様が前後合計で約1,290g、一方で700cディスクブレーキ仕様の「RS-CB50」では約1,830gとされており、モデルやリムハイト、ハブ構成によって重量差が大きいのも特徴です。
軽量仕様ではコストに対して十分に魅力的な数値を示しており、特に小径車ホイールではクラス最軽量クラスに迫る実力をうたっています。しかし、レビューや長期使用データは限定的で、日本国内での流通も限られるため、耐久性やサポート体制に関しては不透明です。数値上の軽さや低価格は大きな武器ですが、それをそのまま信頼性に結び付けるにはまだ時期尚早といえるでしょう。
そのため現時点ではTier Z「評価不能」に分類されますが、Liteproは他の格安直販ブランドに比べて公式に重量や仕様を明示している点で信頼性は一歩先んじています。小径車で培った軽量化技術を活かし、ロード市場での実績を積み重ねれば、格付けが大きく変わる可能性を秘めたブランドといえるでしょう。
ホイール格付け総合Zランク Nepest(ネペスト)


Nepest(ネペスト)のブランド/メーカー解説
Nepest(ネペスト)は中国発の直販系カーボンホイールブランドで、近年オンラインを中心に台頭してきた新興メーカーです。特徴は、塗装を省いたペイントレス仕上げやワイドなUシェイプリムといった最新トレンドを積極的に採用しつつ、大手ブランドの半額以下という価格設定を実現している点にあります。公式ストアでの販売価格はおおよそ21万〜22万円前後(1,399〜1,499ドル換算)で、ハイエンドモデルを狙うライダーにとって比較的手を出しやすいポジションに位置しています。
最大の強みは軽量性です。同社の技術資料によれば、たとえばMAUI 35は公称1,225〜1,235g、SPEEDN 35/AIM 35でも1,275〜1,285gと、35mmハイトながら極めて軽量なスペックを掲示しています。また「from 1,180g/pair」との表記もあり、最軽量仕様では世界的トップクラスの軽さをうたっています。一方で、リムハイトやハブ構成によっては1,430gを超えるモデルも存在し、数値は仕様次第で大きく変動する点に注意が必要です。
ただし、日本国内での流通量や実走レビューは極端に少なく、耐久性や長期使用時の信頼性については依然として未知数です。直販主体ゆえの価格優位性は魅力であるものの、万一のトラブル時にどの程度サポートを受けられるかはまだ見えない部分が多いといえます。そのため現時点ではホイール格付けにおいてTier Zに分類され、「評価不能」として扱われています。とはいえ、挑戦的な価格設定と軽量スペックは将来的に評価を押し上げる可能性を秘めており、今後ユーザー実績が積み重なれば、一躍注目ブランドに成長する可能性も十分にあるでしょう。
ホイール格付け総合Zランク FXSAGA(エフエックスサガ)


FXSAGA(エフエックスサガ)のブランド/メーカー解説
FXSAGA(エフエックスサガ)は中国発の直販系ホイールブランドで、近年オンラインを中心にその存在感を示し始めた新興メーカーです。特徴は圧倒的な低価格設定と軽量性で、公式サイトに掲載されている「Spade シリーズ」は公称1298g ±2%、「Heart シリーズ」も1350g ±2%と、いずれもカーボンホイールとして非常に軽量な数値を誇ります。それでいて価格は「Spade」が約1万2千円、「Heart」が約7千円と驚くほど安く、国内外の相場感から見ても破格といえるレベルです。
ただし、この価格帯は一般的なカーボンホイールの常識からかけ離れており、品質や耐久性に関する信頼性は未知数です。軽量であることは魅力ですが、カーボン素材の精度やハブの回転性能、スポークテンション管理などがどの水準で担保されているのかは不透明で、レビューや実走データもほとんど流通していません。アフターサポートや保証に関しても情報が限られており、長期使用に耐え得るかは現段階では判断できません。
そのため、FXSAGAはホイール格付け上Tier Z「評価不能」に分類されています。決して性能が最下層というわけではなく、単に情報が不足しているがゆえの位置づけです。とはいえ、軽量性と極端な低価格のインパクトは強烈で、もし実際の品質や耐久性が伴うことが証明されれば、一気に注目ブランドに躍り出る可能性も秘めています。現時点では“掘り出し物か、それとも危険な賭けか”という位置づけにあるブランドといえるでしょう。
ホイール格付け総合Zランク ONEAER(ワンエアー)


ONEAER(ワンエアー)のブランド/メーカー解説
ONEAER(ワンエアー)は台湾で2019年に設立された新興ホイールブランドで、30年以上カーボン素材を扱ってきた技術者の経験を背景に誕生しました。ブランド名の「AER」は “Advanced Engineering Reinforced” を意味し、その名の通り最新のエンジニアリングを応用した軽量かつ高剛性なカーボンホイールを展開しています。ラインナップはロード用ディープリムからグラベル向けまで幅広く、DC3(38mm)、DC5(48mm)、DX5(50mm)、GC4(42mm)など、多様なリムハイトを用意しているのが特徴です。
公称重量では、登坂系に位置づけられるDC3 38mmが1320g、エアロ寄りのDXT-GMTが1480gとされており、ハイエンドブランドに匹敵する数値を示しています。軽量性をアピールしつつ、リム内幅を広めに取る設計で安定性と空力も両立させています。価格帯は国内正規流通が限られているため変動がありますが、海外販売では40〜60万円前後が目安となっており、同スペック帯の大手ブランドよりはやや手頃といえるでしょう。
一方で、日本での流通量はまだ少なく、レビューや長期使用データも十分ではありません。耐久性やアフターサポートについての情報は乏しく、実際の評価はこれから蓄積される段階です。
そのため現時点ではホイール格付けにおいてTier Z「評価不能」とされますが、公式で重量や仕様が明確に示されている点は、同じZランクの中でも信頼性が一歩進んでいる部分です。今後ユーザー実績が積み重なれば、格付けを大きく押し上げる可能性を秘めた注目ブランドといえるでしょう。
ホイール格付けTier Zランクの特徴と魅力
Tier Zは「評価不能」と位置づけられるカテゴリーであり、情報や実績が不足しているため、他のランクのように明確な序列を付けることができません。決して“最下層”を意味するのではなく、あくまで未知数の存在を集めたゾーンです。ブランドとしては、ScribeやCraftworx、Litepro、Nepest、FXSAGA、ONEAERといった新興メーカーや直販系ブランドが多く、日本国内での流通やレビューが乏しいため、信頼性を判断できるだけの材料が揃っていないのが特徴です。
一方で、Tier Zには「将来性」という独自の魅力があります。既存の大手ブランドでは考えられない価格設定や、驚異的に軽い公称重量を掲げるモデルなど、チャレンジングなスペックを打ち出すメーカーが少なくありません。中には1,300g前後の超軽量カーボンホイールを、20万円以下、あるいは10万円未満で提示するブランドもあり、コストパフォーマンスの面でライダーの心を揺さぶります。
もちろん、安さや軽さの裏にはリスクも潜んでおり、耐久性・サポート体制・製品精度については不透明です。しかし、それこそがTier Zの醍醐味でもあります。既存のブランドにはない「掘り出し物を見つける楽しみ」や「人柱的に試すワクワク感」が、このランクならではの価値といえるでしょう。つまりTier Zは、評価不能であるがゆえに夢とロマンが詰まった、ロード乗りにとっての“未開拓ゾーン”なのです。
まとめ|Tier Zは評価不能、でも未知数の宝庫
Tier Zに分類されるホイールブランドは、情報や実績が不足しているため格付け不能とされます。しかしそれは「価値がない」ではなく、「まだ評価が固まっていない」ことを意味します。ScribeやONEAERのように軽量かつ魅力的なスペックを示すブランドもあれば、FXSAGAのように極端な低価格で市場を驚かせるメーカーも存在し、どれも大手ブランドにはない独自性を備えています。
リスクを承知で試すなら、思わぬ掘り出し物と出会えるかもしれません。Tier Zは不確かさの裏に“伸びしろ”と“夢”を抱えた、ロード乗りにとっての冒険枠といえるでしょう。
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