ロードバイクで見かけるエモい瞬間 Vol.010~冬のライドの醍醐味~

雑記コラム

真冬のロードバイクは寒さばかりが注目されがちです。でも実際に走ってみると、意外なほど心地いいと感じる瞬間があります。湿度の低い乾いた空気、静まり返ったサイクリングロード、遠くまで澄んで見える景色。誰もいない日中の道をひとりで走っていると、ただペダルを回すことそのものが気持ちよくなってきます。今回はそんな瞬間をお届けしたいと思います。

乾いた、真冬の、心地よさ。

真冬のロードバイクには、他の季節では味わえない独特の心地よさがある。気温だけを見れば厳しいはずなのに、走り出して数分もすると、その感覚は意外なほど穏やかだ。

理由は空気にある。

湿度の低い冬の空気は乾いていて軽く、呼吸を邪魔しない。深く息を吸い込むと、冷たさと同時に澄んだ感触が肺の奥まで届き、頭の中まで静かにリセットされるような感覚になる。

汗はほとんど出ず、身体は必要以上に熱を奪われない。夏のように体力を消耗することもなく、淡々と一定のリズムでペダルを回し続けられる。その均一な呼吸と回転が、思考をどんどん単純にしていく。考えているようで、何も考えていない。ただ走っているだけなのに、それが妙に心地いい。

乾いた路面を転がるタイヤの音も、冬ならではだ。水気のないアスファルトは抵抗が少なく、走行音は軽く澄んでいる。チェーンの音、フリーのラチェット音がいつもよりはっきりと聞こえ、ロードバイクそのものの存在感が強調される。風を切る音さえも、冷たい空気の中ではどこかシャープ。

真冬のライドは、派手さはない。写真映えする景色がなくても、誰かに自慢するような出来事がなくても、この乾いた空気の中を走れたという事実だけで満足できる。過酷だと思われがちな季節に、こんな静かな贅沢が隠れている。それが真冬のサイクリングの醍醐味だと思う。

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